特集クリント・イースドウッド第1回「恐怖のメロディ」

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現在、「ミリオンダラベイビー」が好調のクリント・イースドウッドですが、「ミスティックリバー」の成功以降、70歳を超える年齢ながら様々なジャンルにチャレンジしていこうとしています。そのこと自身、イースドウッド自身が認めており、彼の弁によると“アクションはやりつくした”そうです。次回作は、あの有名な硫黄島に星条旗を初めて立てた人達をめぐる話です。といっても、あの写真はやらせであることが現在、認められています。ストーリーは、星条旗を立てた1人を父親に持つ子供がその事実関係を調べるというお話らしいです。硫黄島を見学するために今年、石原都知事を訪問しています。

このカテゴリーでは、僕が好きな又は注目する監督、俳優を取り上げて生きたいと考えています。
記念すべき第1回は、クリント・イースドウッドの1971制作の初監督作品「恐怖のメロディ」です。
クリント・イースドウッドは、アカデミー賞獲得作品「許されざる者」に代表される芸術作を多く作っているようにみられますが、実際は、「ダーティ・ハリー」に代表され、「タイトロープ」や「目撃」などのアクション娯楽作品や「ペイルレイダー」などの西部劇を多く監督しています。
クリント・イースドウッドは、「ダーティ・ハリー」や「アルカトラズからの脱出」でコラボしたドン・シゲール、「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」などでコラボしたセルジオ・レオーネを師と仰ぎ、彼らから大きな影響を受けています。
「許されざる者」は、レオーネにささげられています。




そのクリント・イースドウッドの第1回作品が「恐怖のメロディ」です。
数あっただろう脚本の中から、この「危険な情事」の原型のような娯楽作品を選んだことに、気鋭の映画評論家にして東大教授の蓮実重彦氏は着眼しています。

恐怖のメロディ
恐怖のメロディ




物語は、クリント・イースドウッドがDJをしている時に、決まった時間に必ず“ミスティ”という局をリクエストしてくる女性がいます。所は変わって、クリント・イースドウッドがいつも行く酒場で、ある若い女性と意気投合します。この時、バーテンダー役にクリント・イースドウッドの処女作を祝ってドン・シゲールが友情出演しています。
クリント・イースドウッドは、その女性と一夜を共にします。そこで、女性は、いつも「ミスティ」をリクエストしていたことを話します。
クリント・イースドウッドは離婚したばかりで独身ですが、この女性とは一夜限りのつもりでした。ところが女性はそう考えておらず、しつこくクリント・イースドウッドに付きまといます。初めは、相手にしていたクリント・イースドウッドですが、女性のエスカレートする行動にあきれ果て「別れよう」と女性に告げます。女性は、納得するのであったが・・・
この映画は上述のように「危険な情事」の原型のような映画です。しかしながら、この映画の女性は「危険な情事」のシャロン・ストーンのような美人ではなく、どこにでもいるような普通の顔をしています。また、このようなことをしでかすちょっとイカれた女性は確かにいそうです。そのため、非常に身近なことに感じられます。この点が「危険な情事」と大きく異なるところです。




トグサ的評価:★★★☆☆

クリント・イースドウッドは、ジャズに造詣が深くチャーリー・パーカーを描いた「バード」や最近では自身の映画の曲を作曲したりしています。
そのためか、昔からマイノリティである黒人をパートナーなど重要な役で出演させています。この「恐怖のメロディ」でもDJの相棒は黒人です。

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