サスペンス、ミステリー映画大林宣彦

原作者、宮部みゆきが脱帽した大林宣彦監督「理由」について

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理由 特別版
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原作は、かなり昔のもので確か直木賞を獲得したように記憶しています。題名は映画と同じ「理由」です。これは、WOWOWから出た企画で、大林宣彦監督がその気迫に負けて映画化したそうです。そのため、初めはWOWOWで放送され、映画用にそれを少し手直しし、昨年の12月頃、公開されています。この映画を作るにあたって大林宣彦監督は映画作家ではなく映画監督に徹したようです。結果、この作品は大林監督の一つの転機となりそうなものとなっています。各誌でも絶賛されておりました。


大林監督といえば尾道三部作、後期三部作など当初、少年少女のナイーブな面を描いておりましたが、ここ最近では大人のエロスに挑戦していたようですが、今ひとつ伸び悩んでいました。

この作品は、原作者である宮部みゆきさんが“こんな描写、原作にあったかしら”と疑問に思い調べてみるとちゃんと原作に載っているような映画です。キャストは、今までの大林映画によくでていたような俳優ほとんどが出演しているようなオールキャストです。ただし、この映画は、一家惨殺事件のことを取材にしにきた、(おそらく)TVに証言するという形をとっており、われわれ観客は、その証言集を繋いだものを観ます。したがって、大林監督は、俳優にノーメークでなるたけ演技しないように指導したそうです。そんな中で、どうしても演技してします岸辺一徳や自然に素人が答えているように演技する南田洋子や他の俳優など、俳優の演技しない演技に注目です。なかでもヒカッているのが久本雅美です。非常にうまいです。WHAHA本舗も捨てたものじゃないですね^^。原作者宮部みゆきさん自身も原作者として最後の方に出演しています。グロテスクな描写が多い一連の小説を書いているとは思われないほど、あどけないお顔をされております。
内容は、バブルの時代の不動産業の裏側を垣間見ることが出来ます。ここで話すとネタばれするので多くは語りませんが、高級マンションで一家惨殺殺人事件が起こるのですが、その一家が尋常ではなく、それが謎をよび、いろいろな人が関係しています。




インタビュー集を繋いだだけでチャンと映画になっているのが凄いですが、なにせ物語がなかなか進まないので最初の方は少し疲れるという印象を受けましたが、よく出来た映画です。

ただ残念なのが、時代は今平成不況で、時事性が失ってしまっているということ、バブルの頃の喧騒みたいなことが描けていないことでしょうか。
時事性については、ラストにそれなりに今につなげていますが、森田芳光監督なら、もっと違うアプローチをしただろうなという印象を受けました。脚本は、大林監督ともう1人は大島渚監督とよく組んでいた人です。荒川区という土地柄は知りませんが、ここに出てくる証言者とその背景は、“これは高度成長期時代のこと”と思わせるよなところもあります。

理由
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宮部 みゆき

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模倣犯〈上〉
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宮部 みゆき
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宮部 みゆき





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