戦争映画は数あれど、このポール・ハギス監督の『告発のとき』は、一味もふた味も違い、ラストには深く考えさせられました。
<ストーリー>
「クラッシュ
」のポール・ハギス監督が、イラク戦争から帰還した一人の兵士を巡る衝撃の実話を映画化したミステリー・ドラマ。
帰還後間もなく無断離隊したとの連絡を受けた父親が、息子の汚名を拭うべく行方を捜す中で次第に浮かび上がる過酷な真実を描き出す。
主演は「逃亡者
」のトミー・リー・ジョーンズ、共演にシャーリーズ・セロンとスーザン・サランドン。
2004年11月1日、元軍警察のハンク・ディアフィールドのもとに、軍に所属する息子のマイクが行方不明だとの連絡が入る。
軍人一家に生まれ、イラク戦争から帰還したばかりのマイクに限って無断離隊などあり得ないと確信するハンク(トミー・リー・ジョーンズ)。
不安に駆られた彼は、息子の行方を捜すため基地のあるフォート・ラッドへ向かう。
同じ隊の仲間に話を聞いても事情はさっぱり分からず、念のため地元警察にも相談してはみたものの、まともに取り上げてはもらえず途方に暮れる。
そんな中、女性刑事エミリー・サンダース(シャーリーズ・セロン)の協力を得て捜索を続けるハンク(トミー・リー・ジョーンズ)だったが、その矢先、マイクの焼死体が発見されたとの報せが届く。
悲しみを乗り越え、真相究明のためエミリーと共に事件の捜査に乗り出すハンクだったが…。
原題: In the Valley of Elah
監督・製作:ポール・ハギス
脚本:ポール・ハギス、マーク・ボール
撮影:ロジャー・ディーキンス
音楽:マーク・アイシャム
美術:ローレンス・ベネット
製作国:2007年アメリカ映画
上映時間:2時間1分
配給:ムービーアイ
CAST(出演)
トミー・リー・ジョーンズ、シャーリーズ・セロン、スーザン・サランドン、ジョシュ・ブローリン、ジョナサン・タッカー、ジェームズ・フランコ、フランシス・フィッシャー、 ティム・マッグロウ、ジェイソン・パトリック
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<感想(レビュー)>
ポール・ハギスが、この映画を製作しようとしたのは、まだアメリカ中がイラク戦争支持していた2003年の事だという。
どこのプロダクションにも断られ続けたが、クレジットにはないがクリント・イーストウッドのところに持ち込んだら、クリント・イーストウッドが、ワーナーのトップに取り次いでくれたらしい。
ちなみに、クリント・イーストウッドは、『ダーティー・ハリー』シリーズなどで黒人や女性とコンビを組んだり、一見、リベラルで多くの映画人同様、民主党支持者のようだが、彼は、れっきとした共和党員である。
原題の『In the Valley of Elah』(エラの谷で)は、ハンク(トミー・リー・ジョーンズ)によって印象的に語られる巨人ゴリアテとダビデを巡るエラの谷でのエピソードから取られている。
『キネマ旬報 7月上旬号
』のポール・ハギスのインタビューより
主演が同じトミー・リー・ジョーンズだからだろうか、観ている間、僕は、アカデミー賞を受賞した『ノー・カントリー
』を、時折、思い出していた。
『ノー・カントリー
』の主題は、老人の理解を超える“訳のわからないない連中”が増え、“老人の住む国”がなくなってしまったというようなものだが、この『告発のとき』でも理解の範疇を超えるような犯罪が起きる。
音楽も似ているように感じたのだが、別の人であった。
それにしても、『ノー・カントリー
』といいトミー・リー・ジョーンズは、すっかり“アメリカの父親”の代表のようになった。
物語は、行方不明となったトミー・リー・ジョーンズの息子が携帯電話で取ったビデオクリップが時折、挟まれるが、ほとんど物語の終盤までトミー・リー・ジョーンズの息子・マイク殺害の犯人を追うというサスペンスになっている。
トミー・リー・ジョーンズは、息子に電話で言われた「父さん、ここから出たいよ。」の言葉に夜もうなされる。
そして、序盤に、救難信号を意味する国旗を逆さに掲げてあったのを、自ら元に戻したトミー・リー・ジョーンズが、事件の真相を知り、イラク兵が抱えている“心の闇”を垣間見ると、今度は、自らの手で国旗を逆さに掲げる。
アメリカは、今、救難信号を発しなければならないのだろうか?
トミー・リー・ジョーンズから、ダビデの神話を聞かされたシャーリーズ・セロンの息子は、「恐怖に立ち向かわなければならないの?」と母親に聞く。
我々は、恐怖に立ち向かわなければならないだろうか?
そして、自分の子供達に「立ち向かって戦え」と教えることは、はたして正しいのだろうか?
父親とは?
そんな事を深く考えさせられる良質な味わい深い映画であった。
『キネマ旬報 7月上旬号
』のポール・ハギスのインタビューにおいて、ポール・ハギスは、「子供を巨人と戦わせる王って、いったい何者だろう?」と語っている。
同じく『キネマ旬報 7月上旬号
』の『告発のとき』の作品評では、PTSDの視点からベトナム戦争当時のアメリカ兵を描いた『ディア・ハンター
』(マイケル・チミノ監督)に触れられているが、有名な作品でありながら、まだ僕は、観ておらず、何とも言えません。
また、この映画『告発のとき』は、ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞に輝いたブライアン・デ・パルマ監督の『Redacted』(日本未公開)と同列で語られることが多いという。
トグサ的評価:★★★★★半分
もうすぐゴールデンウィークですね。
ゴールデンウィークという言葉は、映画の世界から生まれたことをご存知でしょうか?
映画が娯楽の王様であった時代、この5月の連休が映画興行主にとって、ドル箱、つまり黄金週間(ゴールデンウィーク)であったことから定着した言葉です。
もうすぐゴールデンウィークがやってきます。
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2 thoughts on “ポール・ハギス監督『告発のとき』~ちまたある戦争映画とは一味違う~”
さんぴんさん、こんばんわ~^^
淡々とストーリーが進行し、ドラマティックではないので、もしかして観る人が観たら、退屈かもしれません。
いいですねー。
トミー。
こないだはテレビで
ボルケーノやってました。
おもしろそーだな。
見ます。
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