邦画

山田洋次監督作『母べえ』~非常に良い作品なのだけれども~

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正直、言って僕は、寅さんシリーズは好きではない。
というかそもそも全く興味がないので、テレビで放映しているのをチラッとしか観たことがない。
渥美清さんは、好きなのだけれども・・・。
だから、山田洋次監督にも全く興味がなかった。
しかし、『たそがれ清兵衛』以降の山田洋次監督作品は、要チェックである。

という事で公開されている『母べえ』を観に行った。

<ストーリー>
黒澤明作品のスクリプターとして知られる野上照代の自伝的小説『父へのレクイエム』(改題『母べえ』)を、山田洋次監督が吉永小百合を主演に迎えて映画化した感動の反戦ヒューマン・ドラマ。

ある日突然夫が治安維持法で投獄されてしまうという苦境の中で、夫を信じ続け、つつましくも気高き信念を失わず、残された2人の娘を守るため懸命に生きた一人の女性の姿を描く。

「母べえ」、家族団らんの様子

昭和15年の東京。
野上佳代(吉永小百合)は、愛する夫・滋(坂東三津五郎)と2人の娘、長女の初子(志田未来)と次女の照美(佐藤未来)と共に、つましいながらも幸せな毎日を送っていた。互いに“、”“母(かあ)べえ”“初べえ”“照べえ”と呼び合い、笑いの絶えない野上家だったが、ある日、突然の悲劇が一家を襲う。

文学者である滋(坂東三津五郎)が、反戦を唱えたことを理由に特高刑事に逮捕されてしまったのだ。
穏やかだった生活は一変し、不安と悲しみを募らせる母(吉永小百合)と娘たち(志田未来、佐藤未来)。
そんな中、滋(坂東三津五郎)のかつての教え子・山崎(浅野忠信)や滋の妹・久子(檀れい)、放埒で型破りな叔父・仙吉(笑福亭鶴瓶)らが一家のもとに駆けつけ、佳代(吉永小百合)と娘たちを優しく親身に支えていく。

「母べえ」母(吉永小百合)と子供たち
監督:山田洋次
脚本:山田洋次、平松恵美子
原作:野上照代
撮影:長沼六男
音楽:冨田勲
美術:出川三男
<出演>
吉永小百合、浅野忠信、檀れい、志田未来、佐藤未来、坂東三津五郎、中村梅之助、笹野高史、でんでん、近藤公園、吹越満、左時枝、鈴木瑞穂、戸田恵子、大滝秀治、笑福亭鶴瓶

<レビュー(感想)>
父(とう)べえ(坂東三津五郎)が、投獄されてからの野上一家の日常を淡々と描いている作品で何らドラマティックな出来事もないのですが、2時間12分、退屈する事はありませんでした。

吉永小百合もいい演技を見せ、彼女の新たな代表作として数え上げられるかもしれません。

浅野忠信の新境地
今まで、浅野忠信は、いまどきの若者又はクールな役が多かったのですが、この『母べえ』では、その言動や行動が笑いを誘うような朴訥とした好青年を演じきっており、これまでのイメージを一新するような演技でした。
自身、山田洋次監督にお任せし、今までとは違う自分を出したかったと雑誌で語っていたが、その試みは成功したのではなかろうか。

セットの家について
僕が目に留まったのは、外壁部分ですが、戦争中の家ということもあり、普通に考えるとイタミや汚れが激しいのではないかと想像するのですが、それらしいものはありませんでした。
ここは、細部までにこだわる『フラガール』の美術・種田陽平さんとは、対照的でした。

観客について
平日の朝という事や山田洋次監督の作品という事もあったのか、中年や老年のご婦人方が沢山、観らしていたのですが、まるでテレビでも見ているように、ストーリーの行方などを芳しく口にするのには閉口した。
それに、この『母べえ』は、実際にあった話をもとに作られた作品であるにもかかわらず、「あ~、死んだんや~」と軽い口調で話されるのは、どうかと思った。

現在、邦画は好調でバブルとも言われている状況(東宝系の一人勝ちですが)ですが、結局、映画作家やその作品は、観客が育てるものであると思われます。
映画製作費も高騰し、かつてのATGのような低予算では、作られなくなってなってしまいました。
そうなると、いきおい当る映画、TV局が絡んだ映画へと行く傾向となってしまいます。
日本映画、崩壊』という本も出ています。
『愛ルケ』などの映画は、テレビで放送すればよいのです。

一昨年の『フラガール』というTV宣伝もそれほどしていない小品が、口コミでスマッシュヒットするような状況を作り出さねば、制作者も報われません。

最後に、この『母べえ』は何を訴えたかったのか?




山田洋次監督は、この『母べえ』の台本の一番、最初のページに、丸山真男の論文を掲載していたという。
年配の方やコアな映画ファンなら、黒澤明監督の『わが青春に悔なし』を想起する方もおられるだろう。

僕は、『母べえ』という題名から、最初、『佐賀のがばいばあちゃん』のようなお母ちゃんのもとで戦中、逞しく生きた家族の物語であろうかと予想したが、吉永小百合が主演という事で、これはありえない。

一体、どんな家族の物語であろうかと、何ら想定せずに観たのですが、「キネマ旬報 2月上旬号
icon」に本音と建前を論点にした新藤純子の良く出来た作品評が掲載されていたのですが、母べえ(吉永小百合)の生き方を説明するのは難しい。

「譲れないものは、譲れない」という庶民の一分なのだろうか?
それにしては、母べえ(吉永小百合)の最後の台詞が弱いような気がします。
キネマ旬報 2月上旬号
icon」の山田洋次監督との対談で渡辺浩氏が指摘するように、母べえ(吉永小百合)の最後の台詞は、母べえ(吉永小百合)自身が語る方が良かったように思います。

さらに言うならば、森鴎外の『最後の一句』のような胸に突き刺さるような最後の言葉を聞ければ、この『母べえ』という作品は、また違った意味を持った最良の作品となった事であろう。

トグサ的評価:★★★★☆

↓山田洋次監督の過去の作品はコチラ↓

キネマ旬報 2月上旬号
icon」では、『母べえ』の特集が組まれれ、吉永小百合、浅野忠信らのインタビュー記事や原作者である「野上照代さんが見た山田洋次監督の演出」、山田洋次監督の対談記事、作品評などが掲載されています。

オフィシャルサイト:「母べえ」オフィシャルサイト

↓皆さんのお住まい地域での各映画の詳しい上映時間はこちら↓
ムービーウォーカー/MovieWalker

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山田洋次監督作『母べえ』~非常に良い作品なのだけれども~” への20件のフィードバック

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