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夢のない時代の夢のない恋愛映画、中谷美紀主演「7月24日通りのクリスマス」

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普段は、恋愛映画など見ないたちなのですが、中谷美紀の紫のランジェリーを着るテレビCMがふるっていて、自分の住む長崎をリスボンだと見立てる恋愛に奥手の主人公・中谷美紀のストーリーに興味を引かれ、それになんたって中谷美紀は、今、「嫌われ松子」等、乗ってるし、観に行った。

<ストーリー>

生まれ育った長崎で市役所に勤める地味で平凡な女性、本田サユリ(中谷美紀)。
退屈な毎日を送る彼女は、空想の中で自分の住む街をリスボンの街に置き換え、出会う男性に“自分だけの王子様ランキング”をつけて現実をやり過ごす日々。
その王様ランキング、ずっと1位は、憧れの先輩・奥田聡史(大沢たかお)。



しかし、サユリ(中谷美紀)は、恋に憧れているだけで、自分は、お姫様になれないと少女漫画「アモーレ アモーレ」で心を満たしている。
そんな姿は、父親・五郎(小日向文世)のガールフレンド海原和子(YOU)に言わせれば、「試験、受かってるかどうか不安」「試験、受けてないけど」(他に2つ、笑える例えがありましたが忘れてしまいました。)みたい。

そんなある日、大学のOB会にやって来た憧れの先輩・奥田聡史(大沢たかお)と再会する。
しかも後日、思いがけず聡史からデートに誘われ、クリスマスを前にすっかり舞い上がるサユリだったが…。

しかし、奥田聡史(大沢たかお)には、本田サユリ(中谷美紀)に言わせれば、王子様、お姫様カップルだった安藤亜希子(川原亜矢子)という存在が。
本田サユリ(中谷美紀)にも、身近な存在である森山芳男(佐藤隆太)が。

監督:村上正典
製作:島谷能成、早河洋、細野義朗、安永義郎、平野ヨーイチ、山本良生、石川治
プロデューサー:仁平知世、稲田秀樹
エグゼクティブプロデューサー:市川南、亀山慶二、梅澤道彦、春名慶

企画:川村元気
原作:吉田修一 『7月24日通り』(新潮社刊)
脚本:金子ありさ
撮影:高瀬比呂志
美術:都築雄二
編集:山本正明
音楽:服部隆之
音楽プロデューサー:北原京子
主題歌:K 『ファースト・クリスマス』

出演:大沢たかお、中谷美紀、佐藤隆太、上野樹里、阿部力、劇団ひとり、沢村一樹、川原亜矢子、YOU、小日向文世、平岡祐太

オフィシャル・サイト: [ 7月24日通りのクリスマス ]

<感想>

■この手のストーリーの構図
だいたい、この手の映画のストーリーの構図は、“王子様”“お姫様”と結ばれてハッピーエンドという形か、“王子様”は、身近にいたという形をとる。
いまさら、この王道を行くのに照れるのか、映画の中で森山芳男(佐藤隆太)に、その構図を語らせる。

この構図は、何も恋愛映画だけに当てはまるのではなくて、「幸せ」をテーマにした映画、全てに当てはまる。
つまり、青い鳥は・・・というように、“幸せ”は身近に存在したというパターンか、主人公が「非日常の幸せ」に果敢にアタックしていくかというパターンだ。

■主人公・本田サユリ(中谷美紀)、及びこの映画「7月24日通りのクリスマス」製作者らの恋愛観
主人公・本田サユリ(中谷美紀)の恋愛観とは、生まれついて“王子様”、“お姫様”がいて、彼らはカップルになる運命だそうだ。
僕に言わせれば、その時代、“王子様”、“お姫様”はいるだろう。
しかし、その時代は、永遠に続くとは思わない。
実際、小学校時代、クラスの憧れの的“お姫様”的存在が、中学生に上がると、“普通”の女子中学生になってしまうのを目撃している。

しかし、この「7月24日通りのクリスマス」の製作者らは、そうは考えない。
主人公・本田サユリ(中谷美紀)の恋愛観は、“王子様”、“お姫様”に生まれたものは、一生、“王子様”、“お姫様”であることが保証される。

映画の中で、主人公・本田サユリ(中谷美紀)が“王子様”的存在である自分の弟・本田耕治(阿部力)ともてない自分と似ている存在、神林メグミ(上野樹里)カップルに語る恋愛観は、非常に自虐的だ。

何時、捨てられるかとびくびく思いながらの結婚生活で、果たして映画のラストの後、本田サユリ(中谷美紀)は、幸せになれるのだろうか?

むしろ、何で彼らがカップルであるのか分からないという存在が多いのではなかろうか?
皆さんも、街で不釣合いに見えるカップルや友人の結婚相手を見て意外な友人の一面を見たというような経験はないだろうか。
要は、愛する二人が惹かれ合っていれば、それでいいのだ。

夢にない話をすれば、まるでこの「7月24日通りのクリスマス」の製作者は、格差社会の現代日本で、年収1千万円の「勝ち組」と年収300万円にも満たないフリーターが結ばれて、そのフリーターは、一生、その「勝ち組」に感謝しとけ、みたいなメッセージを発している。

一見、不釣り合いに見えるカップルが、“王子様”、“お姫様”に見える方が主導権を握っているのではないかもしれない。
それが、男と女の恋愛の不思議じゃなかろうか?

■トグサだって“女心”を知りたいのだ!
90年代に話題になった中原俊監督の「櫻の園」という女子高を舞台にした面白い映画がある。
この「櫻の園」を観終わって、こんな女子高、存在しないよ、と思いつつ、もしかして女同士って、こうなのかなあと思わせるものがあった。




この「7月24日通りのクリスマス」でも、主人公・本田サユリ(中谷美紀)は、少女漫画の主人公を恋人と見立てていたり、奥田聡史(大沢たかお)との恋愛中において本田サユリ(中谷美紀)は、自分の長崎の街をリスボンに見立てたり、自分の事を応援するリスボンのオランダ人の親子という装置を用意している。

僕は、マンガの世界の恋愛に憧れている主人公・本田サユリ(中谷美紀)が、現実の恋愛に目覚めるにあって、「マンガなら、こういう時、ヒロインは、こうするよね。」とか、オランダ人の親子のアドバイスの通りにやってみると上手くいかないみたいな恋に臆病な主人公・本田サユリ(中谷美紀)が、その幻想と現実の恋愛に戸惑うような映画的な描写がほしかった。

この「7月24日通りのクリスマス」では、主人公・本田サユリ(中谷美紀)は、あっという間に変身してしまう。

■そんな程度しか用意できないのか!
もてない男、女が、“王子様”、“お姫様”と結ばれる舞台は、映画は昔から飛び切りっの舞台を用意した。
恋愛映画を見ないたちであるが、例えばダスティン・ホフマンが、結婚式が行われている、まさにその時に“お姫様”を、かっさらいに登場したり。

この「7月24日通りのクリスマス」での最高の舞台は、どこにでもあるありふれたものに過ぎない。
「7月24日通りのクリスマス」で、奥田聡史(大沢たかお)と恋愛し、変身後の主人公・本田サユリ(中谷美紀)の姿が、どこにでもいる女の子みたいなのに対して、少女漫画とリスボンという幻想の世界にいる本田サユリ(中谷美紀)の方が、オリジナリティがあり魅力的でチャーミングなのは、この映画の最高の皮肉ではなかろうか。

■ここまで書いていて、ハタッと気が付いた!
昔から、もてない男が、“お姫様”的存在と結ばれるストーリーは幾らでもあるが、逆のもてない女性が“王子様”的存在と結ばれるパターンは、ほとんどないのではなかろうかと。

これは、日本映画の観客が、今まで男性客であったというだけでは、説明できない。
なぜなら、恋愛映画を見ないたちなので、断言できないが、ハリウッド映画においても、そうだからである。

しかし、僕はバカなフェミニストである遥洋子の言う「何で日本映画界には、女性監督がいないの!」的な言動は支持しない。
彼女の言動は、おそらく女性監督こそが、“女のための”映画を作るという背景があるのだろうが、僕はそうは思わない。

日本映画界に今まで女性監督が存在しなかったのは、今まで“監督”という職業が、どこかダサかったのか、成功するかどうか分からない“監督”という職業のために、青春時代を無駄にしたくなかったのか、“監督”を目指す女性がいなかったせいだ。

これは、断言できる。
今でこそ、何人のかの活躍女性監督が存在するが、その昔、女性の助監督など聞かなかったし、80年代以降、新人監督の登竜門といえる“ぴあフェスティバル”に、女性監督が参加して話題になったという記憶すらない。

この「7月24日通りのクリスマス」とは関係ないのだが、昔からアホの一つ覚えのように遥洋子の意見を聞くたびに憤りを感じていたので、ここに記しておく。

■話を元に戻すと
この「7月24日通りのクリスマス」にしろ、「ハチミツとクローバー」にしろ、映画がTV的になっているのだろうか、昔なら必ず“映画的に”料理してくれた舞台装置を生かしきれない映画が多くなりつつあると考えるのは、僕だけだろうか?

トグサ的評価:★★☆☆☆

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