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「ヒトラー ~最期の12日間~」





このブログを始めたキッカケは、映画を観た後に時折感じる、この感動を誰かに伝えたいとか、紹介したいとか気持ちが大きくなってブログを始める事にしました。

この「ヒトラー ~最期の12日間~」は、そんな誰かと感想を共有したいというより、ひっそりと自分の中で考えたい、そんな感想を観終わった後感じました。

ヒトラー ~最期の12日間~ スペシャル・エディション
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監督は、一般人を監視人と囚人に分けて実際に行った心理実験を描いた「es[エス]」の監督、オリヴァー・ヒルシュビーゲルです。
「es[エス]」は、実験的要素の強い映画でしたが、この「ヒトラー ~最期の12日間~」では、堂々とした演出振りを発揮しています。

「ベルリン・天使の詩」(1987)の名優ブルーノ・ガンツがヒトラーを演じています。ヒトラーに非常によく似ており、違和感がありません。

この映画は、ヒトラーが地下の要塞で過ごした最期の12日間を彼の個人秘書を務めたトラウドゥル・ユンゲの目を通した歴史的独裁者の実態を描いたドイツ人監督による全編ドイツ語で貫いた映画です。
正確には、ヒトラーが死んだ数日も描いており、個人秘書とは関係ない地下室での将校らの様子も描いています。

歴史家ヨアヒム・フェストの同名ノンフィクションとヒトラーの個人秘書ユンゲの回顧録を原作にした作品で、一番最後に、本物の個人秘書ユンゲが出演しインタビューに答えています。
したがって、史実に近い事実が描かれているように思えます。

ヒトラー個人に焦点をあてを克明に描いたということでドイツ本国では、新聞・雑誌等で取り上げられ批判派と擁護派に二分されたそうです。
最も有名なドイツ人監督、「ベルリン・天使の詩」「パリ、テキサス」のヴィム・ベンダースは批判的だったそうです。
ブルーノ・ガンツも微妙な立場に立たされたそうです。

僕は、一応、男ですから少年時代には、人並みに戦車や戦艦のプラモデルを幾つか幾つか作っており、戦争映画というと例えそれが反戦映画といえども、その戦場の描写には胸躍らされます。

この映画は、ヒトラーら将校たちが過ごす地下要塞での様子と平行して、ソビエト軍に包囲された緊迫したベルリン市街が砲撃されている様子も描いています。
そのため、170分という非常に長時間の映画ですが、最後まで飽きささずに観れました。

史実通り、ヒトラーは戦闘能力のない部隊に過大な期待を抱いて、状況をドイツ軍の有利に逆転できると妄想を抱いており、それに対してハッキリ進言できる勇気のある将校はいません。

一方、外の世界では、まだ年端の行かない少年達が自主的に市民義勇軍を結成し、ソビエト軍の戦車を撃破したといって無邪気に喜んでいました。その1人の少年の父親が「子供がそんなことをするべきじゃない。」と言って家に帰そうとしますが、少年は、そんな父親を「意気地なし」と言って罵ります。
やがて、少年たちは「勇敢にもソビエト軍の戦車を撃破した」ことによって、勲章を貰います。
しかし、先ほどの少年は、ソビエト軍の攻撃が激化するにしたがって、悲惨状況を目にし、初めの無邪気な気持ちがだんだん変化します。
このエピソードは沢山あるエピソードの一つとして描かれており、静かに反戦を訴えています。




ソビエト軍の攻撃がベルリン市街の真直まで迫ってくると、さすがにヒトラーに、多数のベルリン市民のことを考えて、ベルリン脱出を進言する将校らも現れます。しかしながら、ヒトラーは「ベルリン市民の事などどうでもいい。ベルリンは一旦破壊され、また、新たに再生するのだ。俺は、何時捕まるか分からない恐怖を抱きながら逃亡生活を送るのは嫌だ。」と言って進言を却下します。これを聞いて、「もうだめだ。」と嘆く将校らはいましたが、親衛隊や政府要人は、こんな独裁者を最後まで支持します。
また、「非ナチ社会で生きていくなんて想像するだけで恐ろしい。」と言って、自分の子供を毒薬で殺し、自らも自殺する政府要人の夫婦もいました。
この「非ナチ社会で生きるなら死んだ方がましだ。」と考えていたナチ支持者は少なからず当時、本当にいたそうです。

ここで僕が映画を観ながら考えていた事は、完全に隔離されたこの地下要塞で何人の人達が、すぐ外の市民の事を実感を持って考えていたんだろうかと思っていました。彼らにとって、砲撃を撃ち込まれ逃げ惑う市民たちは、幹部たちの頭の中での抽象概念にしか過ぎないのではないかと思ったりしてました。
これは、大変、恐ろしい事です。
これは、なにもドイツ軍の幹部らだけに言えることではなく、戦争を遂行している要人全てにとって、自国民が戦略的な駒に過ぎないかもしれない。
このことだけで戦争の恐ろしさを感じます。
また、現代においても政府の人達や官僚は、はたして自国民の事を頭の中で描いている抽象概念で、実際に生活している市民の事をリアルに考えている人達は、どれほどいるのだろうかとも考えました。

いよいよ、差し迫るソビエト軍のやまない猛攻にヒトラーもとうとう覚悟を決め、自殺を決意し、決行します。この時、部下に自分の死体がドイツ市民やソビエト軍に渡るのを恐れ、ガソリンで骨まで焼くように命じます。
これも史実通りです。

外の世界では、ドイツ軍人が足手まといになりそうな自国民の老人やレジスタンスを銃殺するといった悲惨な光景が現れます。

題名は「ヒトラー ~最期の12日間~」ですが、この映画は、ヒトラーの死後の世界もかなり時間をとって描いているのですが、エピソードが少なく、ダラダラ長いだけと感じさせ、この映画の欠点となっています。
もっとコンパクトでよかったと思います。

全体的に、ドラマ性をなるたけ押さえ事実を淡々と描いているので、観終わった後、まるで自分が歴史の生き証人なったかのような錯覚におちいる、そんな映画です。

最後に、一番最後に登場する本物の個人秘書のトラウドゥル・ユンゲの言葉で最後を締めくくりたいと思います。
「私は、今まで自分の戦争責任など考えてもみなかった。しかし、ユダヤ人墓地に行き、そこに刻まれた名前をみた時から、自分の戦争責任を考えるようになりました。」

トグサ的評価;★★★★☆

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Comments

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「ヒトラー ~最期の12日間~」” への29件のフィードバック

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  9. まいじょさん、こんばんは^^
    そうでうね。歴史の過ちを繰り返してはならないですね。
    僕は親父が社会科の教師をしていたせいもあってか、それなりに知っているつもりでも、まだまだ知らないことが多いです。

  10. > ひっそりと自分の中で考えたい
    そうですね。そして戦争や歴史についてもっと知らなければいけないと感じました。最後のユンゲの言葉は、そんな私たちの心に迫るものものがありました。

  11. ヒトラー ~最後の12日間~

     陥落寸前のベルリンで、地下要塞に潜んだヒトラーを中心とするナチス中枢にいた人々の極限状況を描いた歴史ドキュメンタリーです。 ヒトラーの建築家シュペーアも、別れの挨拶にヒトラーを訪ねます。頑強に降伏を拒むヒトラーに対し、国民を巻き添えにするのだけ

  12. ルービーQさん、お久し振りです。
    ほんと淡々と語られドキュメンタリー映画のようでした。
    その分、静かに訴えかけるような映画でした。

  13. こんばんは☆
    TB有難うございます。^^
    要塞で砲撃から守られながら不可能な作戦を語るヒトラーや側近達は、やはり市民をリアルには捉えていなかったんでしょうね…。
    淡々と事実が描かれていることで客観的に、まさに“歴史の生き証人”になったような感覚になりました。
    観終えてしばらくは色々想いを巡らせてしまう作品ですね。

  14. ■ヒトラー ~最後の12日間~

    ヒトラー(ブルーノ・ガンツ)に気に入られ、個人秘書の職を得たトラウドゥル・ユンゲ(アレクサンドラ・マリア・ララ)。彼女が秘書として働きはじめて2年半が経った時、第2次世界大戦のヨーロッパ戦線は大詰めを迎えソ連軍の砲火が迫っていた。そこでヒトラーは

  15. DVDヒトラー~最期の12日間~

    アドルフ・ヒトラーや側近たちが絶命するまでの最後の12日間を、 ヒトラーの個人秘書が綴った回顧録を元に描いた衝撃の問題作。 ブルーノ・ガンツがヒトラーになりきった演技は一見の価値ありです。 DVDヒトラー~最期の12日間~スペシャルエディションでは、 メイキン

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